法律事務所の仕事 過払い金請求

自己破産という選択肢を取るという判断の前に、法律事務所が債務整理を引き受けると真っ先に検討することがあります。それは過払い金です。ご存知の方も多いと思いますが、少し以前までは利息制限法という法律が定めている上限金利を上回る金利がまかり通っており、それが多くの債務者を苦しめてきたという事実がありました。しかし、それが無効であるという最高裁判所の判断が出され、しかもこの判決は過去10年間までさかのぼって取りすぎてきた利息を返還しなければならないというものだったので、過去に払いすぎてきた利息を取り戻すことによって現在の借金を返済するお金に充当できるようになったのです。もちろん、過払い金を取り戻してそれを返済に充て、借金を完済してしまうこともあります。その場合は余ったお金を現金で取り戻すことができます。

債務整理をするためには正確な債務の金額を確定させることが必要です。過払い金というのは債務者のお金なので、それを取り戻すことで債務の金額を確定するというわけです。

自己破産をするのであれば借金がゼロになるから、そんなのは意味がないのでは?という人もいます。仮に破産と免責で借金がゼロになるとしても、過払い金を取り戻すことで債務整理自体が必要なくなるかも知れないのですから、決して無意味ではありません。

申し立てに必要なもの

破産の申し立てに際しては色々な書類が必要になります。ここでは主なものを個別に解説していきましょう。

・破産申立書、免責申立書

自己破産をしたいという申立書で、裁判所に対して提出するためのものです。申立人の個人情報に加えて、借金や収入に関する情報を記載します。

・陳述書

破産申し立て書類の中で、最も大変なのがコレです。今回の破産申し立てに至った経緯や、自分の考えていることなどを述べる作文です。借金をした理由や返済不能に陥った理由、さらに自己破産以外では解決できない理由、そして反省文などを記述します。破産宣告の判断材料としてこの陳述書は重視されるので、手抜きは禁物です。

・債権者一覧表

破産申し立てをする時点の債権者を全て記載します。金融業者はもちろんのこと、身内や知人などからの借金も漏れなく記載します。

・財産目録

現金、預金、自動車、不動産、保険など持っている財産を全て記載します。

・会計の状況

この2、3ヶ月の家計についての細かい状況を記載します。

これらの書類は破産宣告に直接的な関係のある書類で、他にも住民票や戸籍謄本など、役所向けに提出する際の定番となる書類が必要になります。法律事務所は、裁判所に対して破産申し立てを行う前に、こうした書類の準備をしていきます。

相談に必要なもの

法律事務所に債務整理の相談に行く際には、何を用意していけば良いのでしょうか。もちろん最初から自己破産ありきで相談に行くことはないので、この時点では本当に債務整理が必要なのか、必要なのであればどの方法が最適なのかを診断する必要もあります。こういった初期段階ではあまり用意するものと言っても、絶対に必要な書類などはありません。

この時点で重要なのは、借金問題の状況把握です。相談に行く人が借金に苦しんでいるとしても、それが法律的に見てどうなのかということについては別問題です。

医師の診察を受ける前に「風邪を引いたみたいだ」と言っているようなもので、医師が診察をしたら違う病気だったということはよくあります。

相談の段階で必要なのは、借金の詳しい状況、その借金を作った経緯、今後はどうしていきたいかということなのです。特に借金を作った経緯というのは破産申し立て書を作成する際に必要なので、詳しく話す必要があります。法律事務所に行った当日に思い出しながら話しているのでは時間が掛かる可能性がありますし、正確ではないこともあります。そのため、できるだけ事前に情報を整理しておいたほうが法律事務所での相談はスムーズに進むでしょう。

債務整理の方法あれこれ

債務整理というのは借金問題に悩んでいる人を救済するための手法全体を指している言葉です。債務というのは借金という意味なので、それを整理するということです。このサイトのテーマである自己破産は、そのうちのひとつです。それでは、他にはどんな方法があるのでしょうか。

法律事務所が取り扱っている債務整理の手法は、主に4種類あります。任意整理、個人再生、特別調停、そして自己破産です。

任意整理というのは債権者(消費者金融など)と、債務者(お金を借りている人)の当事者間で話し合いによって返済の金額や方法を再構築するというものです。もちろん債務者には弁護士がついているので代理人となり、交渉をしますので債務者本人が交渉の場に出るということはありません。

次に、個人再生。これは民事再生という仕組みを個人に当てはめたものです。定期的な収入があって今後もそれが続くと見込まれる場合は、借金の減額をすることで解決を図ります。

そして、最後の特別調停。債権者と債務者だけの話し合いでは解決に至らなかった場合、裁判所に仲裁をしてもらって話し合うことを言います。

自己破産は持っている財産を全て処分しなければなりませんが、ここでご紹介した他の手法というのはマイホームなどの財産を残したい場合に有効です。

困った時の法律事務所

ある法律事務所の方が言っていたのですが、借金問題を最も手っ取り早く解決する方法というのは、「もっと借金をすること」だそうです。これはちょっと意外な意見だったので詳しく聞いてみると、借金問題というのは借り入れが膨らみすぎてこれ以上借りられないという状況になった時に発生します。金融業者が無数にあって、それこそ永遠に借り入れを続けていけるのであれば、その人は借金を増やしながらも一生やっていけるのです。

しかし、現実はそうではありません。金融業者の数は限られていますし、仮にたくさんの金融業者があったとしても他社での借り入れがたくさんあることがすぐに分かるので、審査にパスしません。つまり、これ以上借りられないという状況になります。この時点で、借金問題は自力で解決することが不可能になります。

では、どうするか。最も安全で確実なのは法律事務所に依頼をして債務整理をすることです。返済不能になった借金を減額したりゼロにしたりすることで負担を軽くし、再スタートを切ることができます。

離婚や相続、訴訟など、基本的に法律事務所というのは困った時に駆け込むところです。債務整理にもそれと全く同じことが言えるので、借金で困ったら自分で何とかしようとせずに、「困った時の法律事務所」でいいのです。

借金を返せない人が増加中

日本全国で借金問題が大きな社会問題となっています。借金問題とは、借金をする人が多くなってしまうという問題ではなく、借金の返済が困難になってしまう人が多くなるという問題です。ここには色々な原因があると思います。不況が長引いているために生活費を借金に頼らざるを得ない人が増えているのももちろんですが、その前にかつて隆盛を極めていた頃に消費者金融が大々的なCMキャンペーンを行い、借金というものに対する心理的なハードルを下げてきたことも考えられます。

その当時、最初は「ちょっとだけなら」と恐る恐る借入をしていたのが、やがてだんだん感覚が慣れてきて気軽に借金をするようになります。発行されたカードを使ってATMで現金を引き出すので、銀行の預金を下ろすのとほとんど同じ感覚だというのも大いに関係があるでしょう。また、借り入れをするとレシートが発行され、そこには限度枠まであとどれだけ借りることができるかという金額が印刷されています。この金額が、まるで預金残高のように見えてくることもあるそうです。

現在、債務整理をしている人の多くは、この時期に消費者金融を利用し始めた人が実に多く、ある意味では被害者と言えるような状況となっています。

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